JILLA Q&A

よくある質問と回答

WEBから加入申請をしたのですが、加入の可否の連絡はいつごろ頂けるのでしょうか?

WEBの加入申請フォームに、ご入力頂いただけでは加入審査は行いません。ご登録頂いたご住所宛てに、詳しい加入のご案内資料と加入申請用紙をご郵送いたしますので、加入申請書に必要事項を記入捺印の上、直近の確定申告書B控のコピー、作品のコピーとともに返信用封筒にてご返送ください。事務局に到達後、加入要件に合致しているかを厳正に審査いたします。その上でご登録頂いたメールアドレス宛に加入の可否をご連絡差し上げます。

今年事業を始めたばかりで一度も確定申告をしていないため、確定申告書の控がありません。来年の確定申告後でないと加入出来ないのでしょうか?

個人事業者の場合、当協会の加入要件を満たす事業者であることを確認させていただくために有効な事業証明書は、直近の確定申告書B控のコピーのみです(確定申告書Aは自営業者が使用する書式ではないため無効です)。事業を始めたばかりで一度も確定申告をされていない方は、当協会にご加入いただけません。税務署に確定申告書を提出後にお申込みください。お送りいただく確定申告書控のコピーには、税務署受付印もしくはe-taxにて電子申告された形跡が確認できることが必要です。

どんな事業を行っていれば加入出来ますか?

JILLAに加入できるのは、日本国内でイラストレーターもしくはイラストレーションを扱う事業を行う個人または法人です。具体的な職業名は「JILLAに加入できる職業名一覧」をご参照ください。

イラストレーション(漫画)を作成する事業を行っていますが、確定申告書の職業欄に「文筆業」と記載しています。「文筆業」でも加入出来ますか?

「文筆業」は文章を書くことを生業とする職業と解釈されますので、実際にイラストレーション(漫画)の制作を行っていても、確定申告書の職業欄に「文筆業」の記載しかない場合はご加入頂けません。次回の申告時に「イラストレーター(漫画家)」と記載した申告書を提出頂いた後お申込みください。

昔から絵を描くのが好きで、休日には趣味でイラストを描いて、個展も開催しています。JILLAに加入出来ますか?

協同組合は事業者が集まって組織する法人ですので、JILLAの組合員となれるのは、「業として」つまり、対価を得てイラストレーションの制作をする方です。趣味でイラストを描いていても、職業欄にJILLAに加入できる職業名を記載した、確定申告書B控のコピーを提出できない方はご加入いただけません。

JILLAに加入する際に必要な費用はいくらですか?

JILLAにご加入頂く際にご負担頂く費用は、出資金、日本イラストレーション協会(JILLA)加入手数料、賦課金(月会費)があり、具体的な金額は、(個人事業者の場合)出資金は一口が5,000円となっており、最低5口/25,000円、加入手数料は3,000円、賦課金は一ヶ月あたり2,000円で加入月から年度末までの月数分の合計額となります。また、文芸美術国保への加入を希望される方には、別途文芸美術国保加入手数料3,000円のご負担をお願いしております。

計算例)

20141月に加入し、文芸美術国保への加入を希望する場合、加入時にご負担頂く金額

  • 出資金 5,000×5口=25,000
  • 日本イラストレーション協会(JILLA)加入手数料 3,000
  • 文芸美術国保加入手数料 3,000
  • 賦課金 20141月から3月まで3ヶ月分 2,000×3月=6,000

合計37,000

なお、この内の出資金25,000円は基本的に退会時に全額返金いたします。

出資金は退会時に全額返してもらえるのですか?

加入時にお振込頂いた出資金は基本的に全額返金いたしますが、JILLAが会員に対して債権を有する場合は(例:期限内に納付すべき賦課金を未納のまま退会申請した)債権相当額を相殺して返金いたします。

私はWEBデザインの仕事をしていて「確定申告書B」の職業欄に「WEB制作」と記載しています。
「WEB制作」業が日本イラストレーション協会に加入できないのはなぜですか?

WEB関連事業者の方でJILLAにご加入いただけるのは、WEB「デザイン」を事業として行っておられる場合のみです。

WEB制作」業という職業名には「WEBデザイン」も含まれますが、当協会に加入できない「プログラマー」「SE」「コーダー」などの職種も含まれてしまい判別することができませんので、確定申告書B控の職業欄に「WEB制作」の記載しか無い場合は加入をお断りしています。

イラストレーションを制作する株式会社を経営しています。経営者ならびに当社の従業員は文芸美術国保に加入出来ますか?

株式会社などの法人には健康保険(被用者保険)が強制適用されるため、法人経営者、従業員は文芸美術国保には加入出来ません。

JILLAに加入すれば、必ず文芸美術国保に加入出来ますか?

文芸美術国保への加入審査は文芸美術国民健康保険組合が独自に行っており、JILLAへの加入は文芸美術国保への加入を100%保証するものではありません。

文芸美術国保への加入要件は「文芸、美術、および著作活動をともなう事業を行う個人事業者およびその家族」ですが、文芸美術国民健康保険組合がこの要件に当てはまらないと判断した場合は、JILLA会員であっても加入が承認されないことがあります。

ウェブ上のデータを引用して使いたいと思うのですが、引用できる文字数などに定義があるのでしょうか? また、文字以外に音楽や映像を資料として引用することも可能でしょうか?

引用(著作権法32条)の問題です。

  1. 引用の要件ですが、要件には、以下のようなものがあります。
    1. 公正な慣行に合致するもの
    2. 報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるもの
    3. 引用して利用する側の著作物と引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別して認識することができること(明瞭区分性)
    4. 引用して利用する側の著作物と引用されて利用される側の著作物との間に前者が主、後者が従の関係があると認められること(主従関係)。なお、主従関係は量的な問題ではないとされています。
  2. 引用対象著作物
    対象著作物は公表されたものであることが必要ですが、著作物の種類については特に限定はありません。自己の著作物等と引用する著作物とが同種類の著作物である必要もありません。
  3. その他の注意(出所明示義務)
    引用する場合には、その複製または利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、出所を明示しなければなりません。なお、複製以外の方法で引用する場合には、その出所を明示する慣行があるときだけ表示すればよいことになっています。
浮世絵をトレースした作品を作ろうと思っています。江戸時代の作品ですので、さすがに著作権は存在しないだろうと思います。気になるのは画集からスキャンしたのですが、ひょっとして出版社の許可が必要なのでしょうか? 所蔵元の美術館などに著作権があるのでしょうか?
  1. 江戸時代の浮世絵は、既にパブリックドメインとなっています。所蔵元の美術館などには、所有権はあっても、著作権はありません。
  2. 新たな創作性が付与され、表現されている場合は著作物となる場合もありますが、著作物でないものを単に写真にしただけのものは、著作物ではありません。
  3. 画集そのものは、編集著作物となり得ます。
  4. 従って、新たな創作性が付与されている写真や浮世絵が掲載されているページそのものを利用する場合は、写真の著作物に係る写真家の許諾や編集著作物に係る出版社の許諾が必要となるでしょうが、江戸時代の浮世絵そのものを利用するのであれば、写真家や出版社の許諾は必要ありません。
特徴的でかなり奇抜なデザインの商業施設の敷地外でモデルの背景にと撮影しました。かなり特徴的なので、少し不安になってきました。建築物にも著作権があるのでしょうか?
  1. 建築の著作物は著作物性を有する場合があります。従って、建築物にも著作権がある場合があります。
  2. しかし、建築の著作物は、いずれの方法によるかを問わず、利用することができるという権利の制限規定があります(著作権法46条)。但し、建築の著作物を建築により複製すること、その複製物の譲渡により公衆に提供することはできません(同条2号)。
  3. 商習慣上、建物の所有者が、所有権に基づいて利用料を取る場合がありますので、確認はした方がよいでしょう。
クライアントワークで納品前(制作中)のwebサイトの著作権または著作者人格権はどうなりますか?制作費(金銭)の受領で自動で著作権はクライアントのものになりますか?
  1. 納品前であれば、間違いなく著作権は著作者にあります。
  2. 制作後に制作費が支払われた場合にも、契約で著作権について特段の取決めがなされていなければ、著作権は著作者にあります。
  3. 契約で著作権譲渡が取決められていたとしても、納品前、後を問わず、著作者人格権は著作者にあります。契約に著作者人格権の不行使条項や改変許諾の定めがないか確認して下さい。
自作のWEBサイトのテンプレート(自分にしかわからない自作テンプレート)をソース丸ごと勝手に文字だけ変えられて使われました。自分が作ったものと証明しつつ著作権違反を訴えられますか?
  1. 著作物だと認められるものであれば、複製権侵害として、差止請求や損害賠償請求などを行うことができます。
  2. 但し、テンプレートだけだと、著作物として認められるかどうかは、かなり難しい問題です。ソースにかなり独創的な創作性が認められない限り、著作物とは認められないでしょう。
著作権譲渡の契約をしていません。下請けとして制作したWEBデザインの実績は自社WEBサイトで公開しても良いですか?

著作権譲渡契約をしていなければ、WEBデザインの著作権は著作者にあります。契約に特段の定めがなければ、自社WEBサイトで公開しても構いません。

クライアントワークで制作したWEBサイトのはクライアントの社名を記載しないといけませんか?制作者表示も兼ね、制作側の社名も加えてよいのでしょうか?(クライアント Produceまたはby 自社社名とか)
  1. 日本は、著作権の発生・行使について無方式主義を採用しているので、表示は付ける必要はありません。
  2. 著作者には氏名表示権(著作者人格権)があるので、制作者である著作者が、どのように氏名を表示したいのか選択する権利があります。著作権を譲渡していたとしても、著作者に著作者人格権があります。
  3. クライアントの社名を表示しなければならないという法律上の規定はありません。
  4. 因みに、万国著作権条約における保護の条件は、その最初の発行の時からの記号が著作権を有する者の氏名及び最初の発行の年とともに表示されることです。特に表示順番の取決めはないのですが、二次的著作物の場合、慣習として原作者を先に、二次的著作物の著作権者を次に表示することが多いようです。ブエノスアイレス条約加盟国では、権利者名 発行年 All rights reservedなどという著作権表示がされます。
自分が納品したWEBデザインを、クライアントが別のプロジェクトで使っていました。具体的には、WEBデザインの一部として作った、キャラクターを動かすプログラム文です。契約の際、細かいライセンスの契約はしていません。この場合、流用の差止めを請求することはできるのでしょうか?
  1. プログラムの著作物として認められれば、複製権侵害で差止請求できるでしょう。
  2. しかし、プログラムの著作物については、創作性、表現の判断が難しく、著作物性が認められないことも多々あります。なお、プログラムは電子計算機を機能させるものでなければなりません。
WEBデザインの仕事を、2つのクライアントから全く同じような内容で請けた場合、どうしても同じソースをお互いで流用したくなります。この場合、事前に双方に許可を得ないと、なにか法的な問題が起きますか?
  1. プログラムの著作物だとすれば、著作物の利用許諾は独占的なものではなく、複数の者に同時かつ同一の利用許諾をすることも可能です。事前に双方の許可を得る必要はありません。
  2. 但し、ソースにかなり独創的な創作性が認められない限り、著作物とは認められないでしょう。しかし、著作物でないのであれば、なおさら流用しても問題はないでしょう。
年賀状素材集として納品した自分のイラストが、某アミューズメント店の告知ポスターに使用されていました。用途を年賀状に限定した素材集からの転用だと思いますが、この場合、出版社に連絡すべきでしょうか?
  1. 出版社に対して著作権を譲渡している場合であれば、出版社は利用目的を年賀状に限定して利用許諾しており、出版社の複製権を侵害していることになるので、出版社に連絡し、差止請求等をしてもらう必要があります。
  2. 譲渡している場合であっても、ポスターでの使用形態が同一性保持権を侵害している場合であれば、著作者自ら、差止請求等ができます。同一性保持権とは、著作者の意に反して、その著作物及びその題号の変更、切除その他の改変を受けない権利です(著作権法20条1項)。
  3. 出版社に対して利用目的を年賀状に限定して著作物の利用許諾をしている場合であれば、著作者自らが差止請求等をする必要があるので、出版社に連絡する必要はありません。なお、この種の出版物なので、出版社に対して他者への再許諾について、著作者は許諾していることを前提としています。
某出版社にイラストを数点提出しました。うち数点は採用、数点は不採用となりました。採用された点数分の請求書を描くよう指示を受け、代金は後日口座に振り込まれました。
その翌年、同出版社が出版した書籍に1年前不採用になったイラストが採用され、書店の店頭に並んでから、「作品を採用したので、”請求書”の送付と同時に”著作権放棄”の書類を送るように」との指示が届きました。
ところが、不採用になったイラストは、代金はもちろん、不採用後の取扱について契約書もいただいていないため、私は、不採用になったイラストを別の出版社に販売し、すでに販売されている雑誌の表紙を飾っていました。
一度「不採用」とした作品を、その後、事前に相談もなく、別の書籍へ掲載し、販売開始になってから事後報告で通知して来た出版社に対し、イラスト使用の差し止め請求、または書籍の修正請求(該当イラストの削除)は出来ますか?
  1. 出版社が不採用と通知した時点で、出版社と著作者との間で法律行為は成立しなかったことになります。即ち、そのイラストに関する譲渡契約は成立していないことになります。
  2. 著作者には著作権がありますので、その著作物を他の出版社に譲渡しても構いません。
  3. 事後通知してきた出版社に対し、著作権侵害として差止請求等を行うことができます。
クライアントからは事前に連絡もなく、私が作成した(デジタル)キャラクターイラストの顔の部分だけを切り取られて、他のイラストの一部として使用、公表されました。
抗議したところ、クライアント企業は私の作品に対しては契約通りの対価を支払っており、納品されたものの使用方法については作家から制約を受けるものではないと、取り合ってもらえません。このクライアント企業に対して対抗する方法はないでしょうか?
  1. 著作権譲渡契約をしていたとしても、著作者には同一性保持権があります。同一性保持権の不行使特約や改変許諾条項がなければ、同一性保持権侵害として、差止請求や損害賠償請求をすることができます。
  2. 著作権譲渡契約の条項に翻案権等(著作権法27条)が特掲されていなければ、翻案権等については、譲渡した者に留保されたものと推定されます。従って、翻案権等侵害でも訴えることができます。翻案権等とは、その著作物を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化、その他翻案する権利です(著作権法27条)。
私がインターネット上に自身の宣伝用にアップしたイラストと酷似したもの(少し色を変えている程度)が、とある企業のホームページ(紙の広告物でも同じ)にて無断で使用されているのを偶然発見しました。たまたま似た絵が出来たというレベルではなく、私のイラストを盗用したものであることは誰の目にも明らかです。当該企業による権利侵害に対して私が取りうる手段はどのようなものがありますか?

権利者は権利侵害者に対して、差止請求、損害賠償請求、不当利得返還請求、名誉回復等の措置の請求、警察への告訴を行うことができます。

自らが開発したキャラクター商品をネットで販売しています。在庫は豊富ですが、転売している購入者がいます。定価よりも3倍近い値段で販売しています。イメージもあるので中止してほしいのですが、法的に可能でしょうか。また、商標登録もしてありますが、この様な事案の場合意味は無いのでしょうか?
  1. 著作権者またはその許諾を得た者により公衆に販売された著作物の原作品または複製物には、譲渡権は適用されません。これを譲渡権の消尽といいます。従って、著作権法で転売している者を止めることはできません。
  2. 商標登録されていたとしても、キャラクター商品そのものを販売する行為は、出所表示を目的として表示されたものではないので、商標権侵害行為ともいえないでしょう。
  3. 因みに、商標の使用とは、マークを商品に付けたり、サービスを提供する際にマークを利用する物に付けたりする行為です(商標法2条第3項)。
ウェブデザイナーです。
インターネットのサイトを受注し納品したのですが、無断で著作権法に触れる動画をアップロードする様な運営をしているようです。最初の口頭での説明では違法なものはアップロードしないということでしたが、私も罪に問われる可能性はあるでしょうか?
  1. 著作権を侵害する動画をアップロードする行為は、複製権や公衆送信権(送信可能化権)の侵害です。
  2. 侵害主体は、実際に、そのような行為を行っている、または侵害のおそれがある者です。
  3. WEBデザインをしただけでは、侵害主体とはいえないだけではなく、間接侵害にも該当しないものと思われます。
  4. 間接侵害についてはカラオケ法理というものがあります。同法理では、間接侵害を認める要件として、管理性や営業上の利益などを挙げています。
タレント、アーティスト、スポーツ選手など、誰もが知るような有名人の写真を元に、当人や所属プロダクションの許諾を得ることなく似顔絵イラストを作成し、私のホームページにて私の似顔絵イラスト作成技術を示すため掲示しました。法的な問題が発生する可能性はありますか?
また、イラストのモチーフが有名人ではなく、人気を集める動物園の有名な動物(パンダなど)の場合も法的な問題が発生する可能性はありますか?
  1. タレント等の氏名、肖像による顧客吸引力に着目して問題にされるのが、いわゆるパブリシティ権です。著作権法の問題ではありませんが、「ピンク・レディー事件」(最一小法判平24・2・2、平成21(受)2056)で認められており、許諾なく利用すれば、法的な問題が発生する可能性があります。
  2. 「物のパブリシティ権」に関しては、「ギャロップレーサー事件」(最二小法判平16・2・13、平成13(受)866)で否定されています。しかし、実務上、撮影した写真等の利用については、事前にトラブルを防止するために、許諾料支払いの慣例がある場合もあり、明らかに許諾が不要であると判断できる場合を除き、できるだけ関係者に連絡をとり、利用についてよく話し合って合意しておく必要があります。
クライアントの依頼で、駅から現場まで徒歩でアクセスした時の動画を撮り、Webに掲載することになりました。繁華街なのでたくさんの一般の人が映り込んでいます。この人達にぼかしを入れるなどの配慮は法的に必要なのでしょうか?

一般人、有名人を問わず、無断で写真を撮られないなど人格権の精神的側面から派生する権利があります。このような権利を肖像権といいます。従って、一般の人にも配慮が必要です。

定期的に受けているイラスト制作の仕事があるのですが、クライアントから「来月から制作費は従来の半額しか払えない」と言われました。値下げの理由を聞いたところ「あなたと同レベルのイラストを、あなたの5分の1の金額で作成する主婦がいることが某公共放送の朝の番組で紹介されていた。半額でも発注があるだけありがたいと思ってほしい」と言われました。こんな理不尽な理由でも、あきらめて値下げを受け入れるしかないのでしょうか?

貴方が個人事業主で、クライアント(親事業者)の資本金が1000万円以上の場合を前提

  1. 買いたたき行為は、親事業者の禁止行為として、下請法違反となります。
  2. 買いたたきとは、下請代金の額を決定するときに、発注した内容と同種または類似の給付の内容に対して通常支払われる対価に比べて著しく低い額を不当に定める行為のことです。通常支払われる対価とは、同じような取引の給付の内容について、その下請事業者の属する取引地域において一般に支払われる対価(通常の対価)のことをいいます。また、通常の対価の把握が困難な場合は、その給付が従前の給付と同種または類似のものである場合には、従前の給付に係る単価で計算された対価を通常支払われる対価として取り扱います。
  3. 独占禁止法でも、優越的地位の乱用行為は、不公正な取引方法に該当します。このような場合には、誰でも、公正取引委員会に対して、適当な措置をとるべきことを求めることができます。
クライアントに、当方が「消費税課税事業者ではない」というだけの理由で、制作代金10万円の請求書に書いた消費税8千円分の支払いを拒否されました。このような理由で消費税の支払いを拒否できるものなのでしょうか?

貴方が個人事業主で、クライアント(親事業者)の資本金が1000万円以上の場合を前提

  1. 下請代金の減額行為は、親事業者の禁止行為として、下請法違反となります。
  2. 下請代金の減額とは、下請事業者に責任がないのに、下請代金の額を減額する行為のことです。原材料価格の下落などを含め、あらゆる理由、方法での減額行為が禁止されています。振込手数料や消費税相当額を支払わない行為もこれに該当します。
Photoshopで制作したイラストのデータをJPEG形式で納品しましたが、クライアントから、レイヤーを統合する前のオリジナルPSDデータを送ってほしいと言われました。納品したJPEGデータに瑕疵はなく、クライアントの当初の目的は達成されているはずですが、このような要求にも応えなければならないものでしょうか?
  1. 契約によって定められた方法に従って納品したとすれば、それ以上の要求に応える必要はありません。契約内容をよく確認して下さい。
  2. 不当な給付内容の変更・やり直しは、親事業者の禁止行為として、下請法違反となります。
  3. 不当な給付内容の変更・やり直しとは、下請事業者に責任がないのに、費用を負担せずに、発注の取消しや内容変更、やり直しをさせ、下請事業者の利益を不当に害する行為のことです。例えば、親事業者や発注元の都合を理由に、下請事業者に責任がないのに発注内容を変更し、変更に伴う必要な費用の一部を下請事業者に負担させるような場合です。
  4. PSDファイルを要求するとすれば、改変行為を前提としているケースが考えられます。契約で改変行為について特段の定めをしていない場合には、著作者の著作権や著作者人格権を侵害するおそれがあります。よく注意する必要があるでしょう。
引き受けた当初の依頼内容は、「イラスト10点くらいを10万円で作成してほしい」というもので、通常受注している代金の範囲内の金額であったので引き受けましたが、実際に仕事を始めると作成しなければならないイラストの点数は15点であることが判明しました。5点の増加は10点「くらい」に収まるものとは到底思えず納得できません。納得できない制作点数の増加に対して、作業を放棄し納品しなかった場合、こちらに法的責任が問われる可能性はありますか?なお、電子メールでの依頼であったため、正式な契約書は交わしていません。
  1. このケースは、法律責任の問題以前に、両者でよく協議する方がよいでしょう。契約書を書面にしなかったケースで、よく起こるトラブルです。書面による契約書、見積書や発注書を取り交わすようにして下さい。
  2. 貴方としては、「10点くらいと言えば、8~12点」と思っていたとしても、クライアントは、「10点くらいと言えば、5~15点」と思っていた場合、あなたの主張に対し、クライアントは、貴方は「10点くらいと言えば、5~15点」で応諾したじゃないかと反論するかもしれません。通常の取引慣行等によって判断されることになるのでしょうが、8~12点だという主張が通れば、10点以上については作業を止めても問題ないでしょう。しかし、5~15点だという主張が通れば、貴方(請負人)がその責に帰すべき事由により途中で仕事を中止したことになるので、クライアント(注文者)は民法541条により契約を解除できます。いずれにせよ、争うことになれば、大変な労力を必要とします。
依頼通りイラストレーションを作成、納品した後、請求書を発行しましたが6か月が経過しても入金が無いため、「支払いはどうなっているのか?」と問い合わせたところ「もう少し待ってほしい」と言われたまま5か月が経過、あと1ヶ月で納品から1年が経とうとしています。
もう、この代金の回収は諦めるしかないのでしょうか?

この場合、依頼者は債務不履行であり、債務の履行を強制することができます。債権者は裁判を提起して勝訴し、債務名義を得て強制執行を行うことができます。金銭債務においては、債務者の財産に対して差押えを行い、競売にかけ、その代金から債務の弁済を受けることになります。

過去に何度か仕事を受けたクライアントと街で偶然出会い、「また仕事を依頼したい」と言われ、具体的な依頼内容についても指示を受けたため、制作に取り掛かりました。電子メールにて、このクライアントにラフを送ったところ「この案件は、他のイラストレーターに発注したから、あなたはやらなくていい」との返事がきました。たとえラフであっても作業に要した対価は支払ってほしいのですが、口頭での依頼であったため、契約書もなく、電子メールにて依頼を受けた記録もありません。口約束の場合は諦めるしかないのでしょうか?

口頭であっても、契約は成立します。内容が具体的なものであれば、契約の履行を求めることができる場合もあります。

自分が孫請け状態にある仕事で、大本と一次請けが喧嘩をしたことによりプロジェクトが閉じてしまい、予定していた仕事が無くなってしまいました。この場合、機会損失分を請求することはできるのでしょうか?またその場合、大本と一次請けどちらと話し合うべきでしょうか?
  1. 請負人(孫請け)が仕事を完成しない間は、注文者(一次下請)は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができます(民法641条)。先方都合で解除された訳ですから、一次下請に対して損害賠償請求が可能です。損害賠償額には直接的被害額と消極的損害額(逸失利益)があります。
  2. 請負人(一次下請)は注文者(大本)の指揮命令に服する訳ではないので、注文者(大本)は請負人(一次下請)がその仕事について第三者(孫請け)に加えた損害を賠償する責任を負いません。但し、注文または指図についてその注文者に過失があったときは、注文者(大本)は請負人(一次下請)がその仕事について第三者(孫請け)に加えた損害につき賠償する不法行為責任を負います(民法716条)。しかし、このケースだと、注文者(大本)に過失があった訳ではなさそうなので、やはり、損害賠償請求をするのは、一次下請でしょう。
クライアントと交わす契約書には印紙を貼付する必要はありますか?
  1. ライセンス契約書(利用許諾契約)は、印紙税法第1号の1文書(無体財産権の譲渡に関する契約書)に該当しません。非課税文書です。
  2. 委任状または委任に関する契約書は非課税文書です。
  3. 著作権の譲渡契約書は、課税文書です。
  4. 著作物制作に係る発注契約書(請負契約書)は課税文書となります。3万円以上の請負代金の受取書も課税文書です。
著作権侵害のWEBサイトを見つけました。連絡、注意、請求の流れを教えてください。取り合ってもらえない、無視されててる場合どうすればいいですか?
  1. まずは、当事者間で交渉することになりますが、削除等に応じない場合や発信者が不明の場合には、次のようなことができます。
  2. 自己の権利を侵害された者が、プロバイダ等に対し、侵害情報の送信を防止する措置を講ずるよう申出を行います。申出にあたっては、申出主体の本人性、著作権者等であること、侵害情報、侵害されたとする権利、権利が侵害されたとする理由が必要です。
  3. 防止措置の申出のほかに、発信者情報の開示を請求することができます。その際は、請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであること、損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他開示を受けるべき正当な理由があることが必要です。
    4.裁判所に開示請求を認める訴えを起こすこともできます。
よく、Appleがバウンススクロール(スクロールし過ぎた時に跳ねる動き)の特許を取ったというようなニュースを聞きます。自分がWEBデザインをする際、このような動きを取り入れることはできないのでしょうか?
  1. バウンススクロールに特許があるとすると、その特許そのものを無許諾で実施することはできません。ライセンスを受ける必要があります。
  2. 特許権のライセンスには、実施権という発明の実施を認める制度があります。この実施権には、専用実施権と通常実施権があります。専用実施権は、設定行為で定めた範囲内で、独占的に業として特許発明の実施を認めるものです。通常実施権は、設定行為で定めた範囲内で、業として特許発明の実施を認めるもので、独占的なものではありません。
  3. 可能性があるかどうかは分かりませんが、その特許発明とは構成要素の違う技術によって同じような効果を発生できる発明を行う場合には、特許権侵害とならない場合もあり得ます。