JILLAについてわからないことは、この私に聞くといいよ!
あ、はい。えっと・・・。
僕はイラストレーターではなく、Web デザイナーなんですが、あなたのお話は僕に関係ありますか?
JILLAにはイラストレーションを扱うデザイナーや漫画家もいるよ。きみに関係あるよっ! 同業者もいっぱいいるよ。
そうなんだ。じゃあさ、「協同組合」っていったい何なの?
なんだか堅い感じよね。
協同組合※1 の設立には行政庁の認可が必要で、いい加減なものではないよ。NPO や一般社団法人も注目されているけど、認可の有無や、誰の為の組織なのかっていうところに違いがあるんだ。
注 1: JILLA は中小企業等協同組合法という法律に則って設立運営されています。 ちなみに、農協については農業協同組合法、生協は消費生活協同組合法、漁協については水産業協同組合法、一般社団法人について は一般社団法人及び一般財団法人に関する法律で定められています。
お!国に認可されてるの?
中小企業の協同組合に限って言えばあわせて 30,000 くらいあって、そのうち JILLA は相互扶助と 民主的 運営により、組合員のための事業を行っている同業者の集まりということで、設立の条件が満 たされて、 経済産業大臣の認可が下りたんだ。
私たちはフリーランス、個人事業者でしょ? さらに言い換えれば中小零細事業者なんだけど、どうして も信用力や資金力、知識などは限られたものだから、協同組合に入れば力になってもらえるのかなぁ、って。
そのとおり。わかりやすい例を挙げると、スケールメリット。たくさん仲間がいれば、物品をまとめて安く 仕入れられるし、団体契約することで、サービスを安く使えるようにしたりできるんだ。
このようなことを事業者が共同で行うためには、独占禁止法の適用から除外してもらわないといけない場合があるので、認可を受けた協同組合になったからこそできるものなんだ。また、仲間同志で情報交換したり、お互い共通の課題を解決するために知恵や技能を教えあったり、 アドバイスを受けたりする教育研修の事業も大事な柱だね。
他には?
文芸美術国民健康保険組合への加入や、国の共済制度の利用などのための窓口機能とか。
また、共同宣伝事業の一環として、会員(希望者)の作品を紹介する「JILLA 年鑑 2019」を発行しており、発行物は掲載者本人に進呈する他、出版社・広告代理店・デザイン制作会社(750 社以上)に送付致して販路の拡大につなげているよ。
そういった事業を、みんなのためにしてくれるってことか!
厳密に言うと、仲間のためだね。広く一般のために、ということではないのが、他の公益的な組織と違うんだ。
そうなんだ。非営利とも違うの?
営利団体ではないから、結果として JILLA が儲かってしまうことはあるかもしれない。目的や制度を考えれば、なんらかの形で会員に必ず還元されることになるから、非営利ということで良いと思うよ。
例えば、 監査権限を強化したり、資金運用の用途を制限したりして、普通の協同組合よりも法律の縛りも厳格なので、JILLAでは、2014年以降 、法律に適合するよう、定款を変更したりして対応しているんだ。
定款とは?
定款とはJILLAの憲法のようなものだよ。定款の定めに基づいてJILLA は動いている。定款もはじめ、予算や事業計画、決算や事業報告 、重要なことを決める総会も一年に一度開催される。運営の方向性やさじ加減もすべてここで決まる。
まあ、どこの組織でも会社でも、総会っていうのは聞くよな。
株式会社の議決権って、何株持っているかによって、議決権数(票数)が違うんだけど、JILLAは、 皆1票。平等。
大株主とかいないんだね。
皆1票。法律で決まっていて、民主的に決めなさいということになっている。
なるほどね。経営は自分たちで言うってことか
自分たちで、ということを表現する大事な言葉として「相互扶助」という言葉がある。お互い支えあおうってこと。 JILLAはお金だけのつながりじゃないんだ。
人のつながりね。
自分たちができる範囲で運営を手伝ったり、JILLAの事業を利用することが「やるべきこと」、つま り「義務」を果たすことで、新しい発見につながる、この業界で働けることへの恩返しや後進の育成にもつながる。
とはいえ、毎回「みんな集まって~」とかやってるの?
時間もお金もかかるので、役員たちの判断(役員会)や事務局、規約・規程というルールに 委ねる部分もあるよ。
役員さんて大変。自分の仕事をしながらやっているなんて!
毎年決算書を行政庁に提出するとか、法律を遵守しながら、しっかり運営していかなければならない 。 活用すべき施策もいろいろあるし、会員さんからの問い合わせもあるから、知らなかった!では済まされないので、役員は、行政庁の担当官、専門家や経験者からアドバイスを受けている。
組織や事業を作り上げていくために、創造性を発揮できる場があって、問題を乗り越えていく楽しさはあるんだろうけど…。
役員には誰でもなれるの?
会員は誰でも役員選挙に立候補できるよ。 でも任期は2年、つまり選挙は2年に1回※1 だから、いつでもなれる訳ではないんだ。
※1 役員の定数は、定款に書いてあるとおり、仕事の分担量に応じて変動することがある。 改選の時期になれば必ず告知がある
なるほど。あと、出資金についても説明して。
協同組合は人の集まりだけど、特にJILLAの場合は、共同で経済事業を行っているから、どうしても元手が必要。そこで、組合に入るひとから、出資を募るわけ。これは、退会することになったら、法律と定款に基づいて、返してもらえるよう請求できる性質のものだよ。
やめるときに返ってくるのか出資金っていうのは取られっぱなしではないんだね。
一般的に言われる手数料とか加入金とは、性格が違うお金なんだよ。
うむ、なかなか難しい言葉や、普段考えたくないことがいろいろあるけど、協同組合のルールは、「会員のために」という理念をひしひしと感じるなあ。これは検討する価値があるかもしれない。
「入らないと損」でもいいけど「知らなかった」ではもったいないよね。