JILLA 東日本支部|佐々木悟郎展「きみのうた」取材レポート
みなさまこんにちは、日本イラストレーション協会(JILLA)会員の守隨佑果と申します。
JILLAの講師としてもお馴染みのイラストレーター、佐々木悟郎先生の個展が開催されたことを知り、訪れてきました。
場所は、1987年にオープンした北青山にあるイラストレーション・ギャラリーの「GALLERY HOUSE MAYA」さんです。
佐々木悟郎展「きみのうた」
https://www.gallery-h-maya.com/schedule/29037/
今回の個展は、エルトン・ジョンの「Your Song」に、美しいイラストレーションをつけた絵本「きみのうた」の、刊行記念展覧会とのこと。もしかしたら、先生と同じように、この曲は思い出深い音楽という方もいらっしゃるかもしれませんね。
ぜひ直接先お話が伺いたかったので、佐々木悟郎先生の在廊時間をねらって訪問しました。在廊情報は、GALLERY HOUSE MAYA(@gallery_h_maya)さんのTwitterで発信されていました。
入るとたくさんの原画が! こちらは第一会場です。
絵本の原画と共に、過去の作品もセレクトされて一部展示されていました。訪れた日は、平日の夕方にも関わらず、何人もお客さんが出入りされて明るい雰囲気の室内です。
タイミングを見て、佐々木悟郎先生に直接絵のことや絵本のことを少し聞くことができました。
先生のお話では、今回の絵本をつくるにあたり、出版社の方と何らかのストーリーを付けることも話題にはのぼったけれど、歌そのものを大切にイラストレーションを描いて本にされたとのこと。
どの絵も、どんなに近づいても細部まで丁寧に描かれている様子は、感動ものです。繊細で美しい絵を間近で見られる嬉しさ。佐々木悟郎作品の魅力のひとつ、にじむ色たちも本当に美しい。
近づいてみると、実はサインも様々な色がにじんでいて素敵です(なんと、絵と同様にそーっと文字を書いて、ちょんちょん色ものせるそうです)
展示のギャラリーは2部屋ありますので、たっぷり堪能できます。こちらは第二会場のMAYA2です。
以前JILLAの講座でも取り上げられた作品の原画も見ることが出来ます。
たくさんの作品を眺めながら、心に響く絵は何があるものなんだろう、と頭の中に問いがあふれてきて…。思い切って、その場で先生に「描く上で大切にしていること」を伺ってみたところ、少し考えつつにこにこされながら「空気感」とのお答え。
「この絵は朝の10時くらい、この絵は15時くらい、と(背景をある程度考えながら)描いているんだよ」「大切にしているものが(この絵から)伝わるといい」と優しくお話ししてくれた佐々木先生。
描かれているものは、見えるものだけでなく、愛情やその場の物語や…そういった見えない空気感そのものなのかと、これが絵が心に響く正体なのでは、と、はっとしました。
ここを訪れてみて、この絵たちの持つ空気がずっとそばにそっといてくれるといいなと、自分でも絵本を購入しました。
笑顔でサインを入れてくださる佐々木悟郎先生です。嬉しい。
透明水彩で描くことが初心者の私に、透明水彩絵の具はウィンザーアンドニュートン、水彩用紙はアルシュがお好きだと、直接絵を見ながらそんなお話も伺うことができました。
思い切って声をかけてみてよかったです。
今回の展覧会は9月17日(土)までとなりますので残りあと少しとなります。ご都合が合う方はぜひ訪れてみては。
今後、9月24日(土)には名古屋にて、JILLAが主催する佐々木先生の透明水彩について学ぶ講座atelier GORO (名古屋)も開催されます。
ベーシックな色のしくみ(カラースタディ)や、水彩の表現の特徴、簡単なモチーフの描写など…既に水彩で活動されている方はもちろん、これから本気で水彩を学びたい方も可能とのこと。直接学べる貴重な機会、こちらもぜひご参加を検討されてみてはいかがでしょうか。
【レポーター紹介】
グラフィックレコーダー
日本イラストレーション協会(JILLA)会員。幼稚園教諭、 絵本の出版社でのプロモーション、 保育所運営会社の管理運営を経て、フリーランスに。会議・イベント・ワーショップなどの場で、絵や図を活用しながら、議論や対話をリアルタイムで可視化する「グラフィックレコーディング」を活用し、経営者やアントレプレナーの方の壁打ちとビジョン可視化、会議や講演会やテレビやライブ番組の可視化などを行う。
https://shuzui-yuka.com/