JILLA展出展ガイド(2)額装と印刷、梱包について
額装と印刷、梱包について
パソコンやiPADでの描画が中心で、手描きの絵を描かない人も増えていますね。
額装しての絵の展示は、学生時代にしかしたこと無い。いや、一度もしたことがない、という人も多いと思います。
自分の絵を額に入れるってどうすればいいの?額縁はどこで買えるの?作品を送る方法がわからない、などの不安から、公募展やグループ展への出品をためらっているという話をよく聞きます。
額装や絵の印刷や梱包について、簡単に解説を書きました。
いまはWEBで絵の展示が手軽に行なえますが、リアルなギャラリーや美術館での展示では、生でお客さんの反応が見られたり、グループ展だと参加者同士の交流が出来たりと、WEBとは違う楽しみがあります。
JILLA展の出品以外でも、公募展、グループ展、個展、イベント参加などご検討の方は、ぜひ参考になさってください。
このブログでは、JILLA展2023の指定サイズの、A3サイズ、F10サイズを基準に解説を進めます。
目次
1.ガクブチの種類は
・紙用
・キャンバス・木製パネル用
2.ガクブチをどこで買うか
3.絵画・イラストの印刷方法について
4.ガクブチ無しでも大丈夫か
5.発送の際の梱包について
・ガラスはダメ
・壊れないように
・ダンボールやプチプチを入手しよう
・返送用の宅配送り状は忘れずに
1,ガクブチの種類について
ガクブチは大きく分けて、
キャンバスや木製パネルなどの厚さ3cmくらいの【分厚い作品用】…油絵額
紙や厚紙(2~3mmまで)などの【薄い作品用】…デッサン額(一般的な画材屋のガクブチ)、写真フレーム、ポスターフレーム
の2種類あります。
紙の作品(印刷作品)は、薄い作品用のガクブチ
→
キャンバスなどの厚みのある作品は、厚い作品用のガクブチ
→
キャンバスのような厚い作品も、紙に描かれた(印刷された)薄い作品も、ガクブチ屋さんに作品を持って行って、「この絵に合うガクブチください」と言ってください。
ガクブチ屋さんは何種類かガクブチを見せてくれるので、相談しながら購入しましょう。自宅用かグループ展用かなども、店員さんに伝えるといいと思います。
A3用のガクブチなら安いもので3000円くらいからでしょうか。マット(後述)と合わせて、5000円~1万円くらいと考えておけばいいかと。
F10号用の油絵額は8千円~くらいと考えておけばいいと思います。
(高いガクブチも素敵なので、財布とご相談を)
●紙用(薄い作品用)ガクブチ
紙にプリントしたイラスト作品や、水彩画など、薄い作品はこちらのガクブチです。
薄い作品のガクブチは、絵画用のデッサン額や写真用フレーム、ポスターフレームを買いましょう。
絵画用のサイズのガクブチは、A3とは比率が違うので、作品を入れるときは「マット」というものでサイズ調整するのが一般的です。
A3ピッタリの額が購入できるのなら、マットなしでもいいと思います。
ガクブチの分解図
マットはこのパーツです
A3ぴったりではないサイズ(たとえば正方形とか、書籍用の比率とか)で描いている場合は、マットでサイズ調整するといいです。
紙作品は、マットで調整できるので、自由なサイズで描けます。(油絵など分厚い作品を自由なサイズで描いた場合は、ガクブチをオーダーして作ってもらいます)
●キャンバス、木製パネル用(厚い作品用)ガクブチ
キャンバス、木製パネルとはこういうので、2~3cmくらいの厚みがあります。
ガクブチも厚みに対応した
油絵用のガクブチになります。
油絵用の額はF10サイズならたくさん売っていますが、A3サイズの額は少ないです。
A3サイズのパネルで出品するなら、ガクブチなしでもいいと思います。(後述)
まとめ
●紙の作品・印刷作品—-絵画用デッサン額(A3ピッタリの額は少ないのでマットで調整すること多し)、写真フレーム、ポスターフレーム。
●キャンバス作品・パネル作品—-油絵用ガクブチ。殆どが洋画用の規格サイズなので、A規格の額は少ない。
2,ガクブチをどこで買うか
キャンバス・木製パネル用の【厚い作品用】ガクブチはガクブチ店(ガクブチを扱っている画材店)で購入できます。
先述したように、ガクブチ屋さんに作品を持って行って、「この絵に合うガクブチください」と言ってください。これがいちばん確実な購入方法です。
紙作品用の【薄い作品用】のガクブチは、ガクブチ店以外の購入ルートもあります。
- ガクブチ店(画材店)…一般的な絵画用のガクブチ(デッサン額)
- ホームセンター…ポスターフレーム、飲食店メニュー用フレーム
- 写真店…写真用フレーム
- その他雑貨店(ニトリとか)でポスターフレーム
- 通販
という購入ルートがあります。
■ホームセンターは種類が少なく、飲食店のメニュー展示用や表彰状用になります。マットの加工もしてもらえないと思うので、ご注意を。
■大きめのカメラ屋さんだと、写真の展示用のガクブチ(フレーム)が売っています。A3サイズの印刷(写真プリント)も対応しているお店もあります。
■ニトリのポスターフレームもガクブチとして使えます。
■通販で買う場合は、厚い作品用も薄い作品用も、サイズ選びに気をつけてください。
ポスターフレームは、縁の幅が小さいものが多いです。
慣れないうちはガクブチ屋(画材屋)さんで、絵を持って行って買うのが確実です。県庁所在地など大きな都市なら1店舗くらいはガクブチ屋さんがあるはず。
グーグルマップなどで探してください。
●全国額縁組合連合会 https://www.gakubuchi-japan.com/ 会員一覧で全国の額縁専門店がわかります
大きな画材店ならガクブチも扱っていることが多いので、ホルベインの取扱店一覧も、参考になります。
●ホルベインの商品が購入できる販売店
https://www.holbein.co.jp/shop/
3、絵画・イラストの印刷方法
自宅のプリンターで良い紙に高画質印刷すればかなり綺麗だと思います。けれど、持ってるプリンターはA4までという方も多いと思います。
そこで大きく印刷する方法です。
■印刷屋(出力センター)
●キンコーズは全国に38店舗、主要都市にあります
●カンプリは関西中心に各地に
●「出力センター 県名」で検索 → 例「出力センター 徳島県」で検索した結果がこちら
■カメラのキタムラ(仕上がりに2週間かかるようです、木製パネル加工も有り)
■ネット印刷(データ入稿から1週間前後)、プリントパック, WAVE, グラフィックなど。
※展覧会場で配布用のポストカードなどの印刷もネットプリントは便利です
※油絵のキャンバスに絵を印刷したり、木製パネルに貼り付けるサービスもあります
※納期に余裕を持って注文してください
■コンビニのコピー機 激安ですが、どのコンビニもA3サイズだと普通紙のみなので、画質は良くないです
印刷については別ページに解説とネットプリントのリンク集を作っています。
4,ガクブチなしでも大丈夫か
ガクブチ付きの方は、額の裏に吊りヒモを付けてください。(ガクブチに付属のヒモで大丈夫です。)
●ガクブチ無しの場合
キャンバスや木製パネルの場合、ガクブチに入れずに、直接展示用のヒモをつけてもOKです。作品が軽量ならヒモはタコ糸や荷造り用のヒモで大丈夫。
金具はU型のフックではなく、丸が閉じた丸環フックがいいです。
なるべく絵を壁から浮かせたくない人は、「ファームヒートン」という専用金具が良いです。
キャンバスや木製パネルの作品を、さらに油絵用の額に入れるのももちろん有りです。
5,梱包について
配送の際の破損の恐れがあるので、ガクブチにガラスは駄目です。アクリルのものを使ってください。
直接会場に搬入・搬出ではない場合、会場スタッフが、作者に宅配で返送するので、再梱包しやすいように配慮をお願いします。
ガクブチ購入時の箱に入れて、あとはプチプチでぐるぐるっと包むだけでも大丈夫です。
箱無しのポスターフレームなどを購入した場合は、作品が壊れないように、プチプチ(気泡緩衝材)やダンボールでしっかり梱包しましょう。
ダンボールを購入(あるいはスーパーで貰う)して、専用の箱を自作していただけると、展示スタッフの再梱包もしやすいと思います。
直接搬出しない方は、【返送用の着払い送り状】を忘れず入れましょう。
返送先の(自宅の)住所氏名等の記載をお願いします。
(詳しくは、展覧会の要項を読んで従ってください)
ガクブチの箱や梱包用の箱や袋にも名前を書いておくと、スタッフの作業が楽になります。
(当ブログ作成者の私は、いつもマスキングテープに名前を書いて、箱や袋などに貼り付けています)
漫画家さんなら一枚イラストの他、コマ割り漫画のページを並べて印刷、デザイナーさんなら、自分がデザインしたグッズ等の写真をコンセプト等の解説と合わせて印刷して展示でもいいと思います。
JILLA展2023へのご参加、お待ちしております。
JILLA展2023へのお申し込みは ↓ ↓ ↓ から!
※作品画像・タイトル変更は、8月末までOKです。