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「イラストレーションの日」オリジナル切手図案 採用作品の発表

2021年2月1日 お知らせ 本部

1月11日は、「イラストレーションの日オリジナル切手」図案募集のTwitterキャンペーンに、たくさんの方にご参加いただきましてありがとうございました!

本年は、⼀⼈あたりの応募数を 4 点に制限させていただいたもかかわらず、昨年を⼤幅に上回る作品の応募がございました。ありがとうございました。
またキャンペーンに関係なく、12日以降もタグをつけて作品をアップしてくださる方も多数いらっしゃいましたこと大変嬉しく思います。

#イラストレーションの⽇ 2021 タグをつけて作品をアップしてくださった⽅は
875 ⼈(作品数 3,500)でした。

うち有効対象者数(※JILLAをフォロー)は、529人(1月11日の日付のみ有効)
有効作品数は、1,839枚(1月11日の日付のみ有効)でした。

審査の結果、採用作品が決定いたしましたので下記にご報告いたします。

採用作品の発表

採用された作家の皆様、大変おめでとうございます!
切手シート30枚は、4月中旬以降にご指定の住所に発送させていただきます。

※)完成品では、一部背景色が異なる作品がございます。


審査について

一次審査では、有効作品数 1839作品のうち「切手として成立する作品」を基準に選考が行われ、901点が一次審査を通過いたしました。

2次審査からは6名の先生方に審査員として加わっていただき、日本イラストレーション協会(理事8名)をあわせた計14名が、ひとり25票づつの投票権を持ち、901点の中からそれぞれ切手にふさわしいと思うデザインに投票していただきました。

審査員による計350票の審査はかなり割れたようで、901点中2 票以上獲得した作品は64 点。うち、3 票以上獲得した作品は23 点 でしたので、この 23 点を⼆次審査通過といたしました。

二次審査を通過した23点のうち、得票の多い5 作品はこの時点で⼊選が確定しました。

残りの 17 点の得票数は同列でしたので「切⼿シートとしてレイアウトした時に先に⼊選した 5 作品とのバランス」を考慮して選出させていただきました。

今年はコロナ禍も影響しているのか、二次審査を通過した作品のカラーは寒⾊系や⽩背景が多く、モチーフが⼈物・動物に偏っていたことから、人物・動物以外の作品を中心に、⼀部、⼊選作品の背景⾊にディレクションを⼊れさせていただくことを前提に⼊選とさせていただきました。切手としては風景作品も欲しかったのですが白い作品でしたので今回は採用を見送らせていただきました。

審査員

審査員(敬称略)
イラストレーター 佐々木悟郎
イラストレーター 津々井良
ストーリーボードアーティスト 進藤晴義
装丁家 宮川和夫
画 家 田中ラオウ
デザイナー 角田綾香

日本イラストレーション協会 理事(8名)

審査総評

日本イラストレーション協会 代表理事 誉田哲朗

今年も数多くの素敵な作品によって、とても悩ましい審査となりました。紙一重で入選にはならなかったけれども、魅力的で楽しませていただいた作品が数多くありました。イラストレーションには人物、動物、風景、機械、自然、歳時など多くのジャンルがありますが、どのジャンルであってもこの公募に共通する基準は切手として成立する作品。最終選考では、密度とセンスのある作品群が上位に残ったと思います。それらは表現として様々な画材、画法、マチエール、ストーリー設定、見飽きない工夫が随所にあったと感じました。切手という小さな矩形の中に「世界観」が感じられた作品、その人への興味が湧くような作品は、とても魅力的であったと思います。

イラストレーター 佐々木悟郎

選ばれた10点の作品はどれもクオリティーが高く素晴らしいと思います。応募された作品を全体として見たとき、今の世の状況を反映しているのでしょうか内面的あるいは内省的な傾向の作品が多かった印象です。しかしこれをネガティブに捉えるのではなくむしろリアルな声として受け止めるべきでしょう。自己を見つめ直しこれからどう進むのか、そんなヒントが隠されている気がします。

イラストレーター 津々井良

 第2回目の審査は第1回目より大変でした。 何が大変かと言うと、前回より作品数も増えて、嬉しい大変。 各作品が色んな大きさで表示されるので 均一に見るため工夫し見逃さない様にして、繰り返しの大変。 そして、おおよその審査基準を決め 凄く時間をかけたのに悩む大変が。
 何を悩むかと言うと いい絵を選ぶだけではなく、切手のイラストレーションを 選ばなくてはいけない大変。コンペなので自分の得意なものを描くだけじゃなく 季節や人物や風景等、その辺を考慮して作ってみても大変だけど面白いと思います。 次回、もっと大変な思いをさせてくれる 作品を楽しみに待ってます。

ストーリーボードアーティスト 進藤晴義

 多くの方の作品を拝見できて、とても刺激になります。切手という小さな世界で、見たいもの、使いたいもの、で選びました。個性、色、配置、巧さなど、総合的に考慮させていただきました。毎回ですが、優れた作品ばかりで選ぶのが難しかったです。発想の豊かさ、見たことのないもの、これが一番楽しく刺激があります。
 イラストは、審査等で選ばれる場合もありますが、審査は必要ないものでもあります。「私が、私の絵を大切にする」それでいいし、1人でもいいから心を惹きつける魅力を持った作品が描ければ良い。
描き続けるのは辛いことも多く、楽しいことも多い、新しく見えてくるものがある、一生ものですね。

装丁家 宮川和夫

イラストレーターはお題を受けて描く仕事です。そして今回のお題は「切手」。みんな切手とは何か考えて描いたかな?手紙を送るシーンを想像して描いたかな?手紙を送るのは時候のあいさつの他に、冠婚、出産、引っ越しなどがあります。(喪中はがきもあるがそれは官製切手に委ねよう)そういう晴れの日の切手はどうあるべきか、という観点で審査しました。もう一つはあの小さな画面に何をどう描いているかを注視しました。圧倒的に多かった人の顔、これは自分が描きたかっただけという印象が強く、選外としました。やはり温かく、可愛く、人の心に寄り添っている作品が多く票を集めたように思います。

画家 田中ラオウ

 まずは私の選考基準を明らかにする。 構図や配色が切手サイズにしても潰れないもの。これを大前提とし、且つイラストの中にストーリーや季節感が感じられるものを選んだつもりだ。
 切手はその実用性の他にコレクション要素が強いアイテムだと思う。あとから振り返った時に想像が膨らんでワクワクするような、或いはその切手がつくられた時代に思いを馳せられるような、そんなイラストが切手には相応しいように思う。
 「この切手には私のイラストが使われているんだよ」 そう家族や友人に言える今回の受賞者をとても羨ましく思う。全応募者の皆様お疲れ様でした。

デザイナー 角田綾香

 さまざまなジャンル、テイストの作品でどれも素晴らしく甲乙つけがたく、僭越ながら「封筒に貼ってあったら」「画面全体の美しさ」「目を惹く魅せ場がある」という観点から選ばせていただきました。
 採用された作品を拝見して「ああ、あの作品が入っていなかった」と惜しい気持ちになる作品がいくつもありました。切手という小さな画面をどう見せるのか、来年もみなさんの表現が楽しみです。


最後になりましたが、2次審査を通過した作品をご紹介します。

惜しくも採用を逃しましたが、どれも素敵な作品ばかりで審査員を悩ませていました。来年もまたこのような機会を設けたいと考えておりますので、ぜひまたチャレンジしていただきたいと思います。

2次審査 通過作品

たくさんのご応募、ありがとうございました!